子どもの矯正
小児矯正の種類には何がある?装置の特徴と選び方のポイントをわかりやすく解説
小児矯正にはさまざまな装置があり、歯並びや咬み合わせ、顎の成長段階によって適した治療法は異なります。装置選びでは、年齢や症状だけでなく、生活スタイルに合っているかも重要です。
この記事では、小児矯正で代表的な3種類の装置である「可撤式矯正装置」「固定式矯正装置」「顎外固定装置」に分けて解説します。
この記事を読めば、小児矯正の種類や装置の特徴、選び方のポイントがわかります。子どもの歯並びや顎の発育に合った治療を検討する際の参考にしてみてください。
INDEX
小児矯正装置の種類

小児矯正で使われる装置は、大きく3つの種類に分けられます。
- 可撤式矯正装置
- 固定式矯正装置
- 顎外固定装置
これらの矯正装置は、歯並びや咬み合わせ、顎の発育状態に応じて使い分けられます。精密検査をもとに歯科医師が診断し、子どもの成長段階に合った小児矯正装置を選ぶことが大切です。
以下の記事では、小児矯正の費用を詳しく解説しています。小児矯正で用いられる装置の種類ごとに目安費用を解説しているので、併せてご覧ください。
小児矯正の費用相場は?分割払いや医療費控除、保険適用の有無まで徹底解説
小児矯正の可撤式矯正装置の種類

可撤式矯正装置とは、患者自身が取り外しできるタイプの矯正装置です。主に成長期の子どもの顎の発育を利用しながら歯並びや咬み合わせを整える目的で用いられます。
- マウスピース(インビザライン・ファースト)
- 拡大床
- バイオネーター
- プレオルソ
- ムーシールド
- ツインブロック
- F.K.O(アクチバトール)
- リップバンパー
- マイオブレース
マウスピース(インビザライン・ファースト)
インビザライン・ファーストは、透明なマウスピース型の矯正装置を用いた小児矯正です。 歯並びや咬み合わせの状態に合わせて、デジタル技術を活用してマウスピースを作製します。
なお、インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」の歯列不正に適しています。取り外しができるため歯磨きや食事がしやすく、口腔内を清潔に保ちやすい点が特徴です。また、目立ちにくい矯正装置であることから、近年注目されている小児矯正方法の1つです。
インビザライン・ファーストの適応条件については、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
インビザライン・ファーストの適応条件を詳しく解説!適応年齢や症例、治療期間も紹介
拡大床
拡大床は、顎の幅を広げて歯が並ぶスペースを確保するために用いられる装置です。ネジを調整することで少しずつ上顎や下顎を拡大し、将来的な歯列の乱れを予防します。混合歯列期の小児矯正でよく用いられる代表的な装置です。バイオネーター
バイオネーターは、下顎の位置を前方へ誘導しながら咬み合わせを改善する装置です。主に出っ歯(上顎前突)の治療に用いられ、顎の成長を利用して咬み合わせや上下顎のバランスの改善を目指します。成長期の顎の発育を活かした小児矯正で使われます。プレオルソ

プレオルソは、やわらかい素材のマウスピース型装置で、歯並びだけでなく口呼吸や舌の位置の乱れなど、口腔習癖の改善が期待できます。歯列不正の原因となる筋肉のバランスを整えながら、咬み合わせを改善する小児矯正装置です。
プレオルソを用いた小児矯正は、4〜10歳ごろの歯の生え替わり時期に選ばれることが多いです。
ムーシールド
ムーシールドは、受け口(反対咬合)の早期改善を目的として用いられる矯正装置です。夜間に装着し、日中は外せる点が大きな特徴です。
乳歯列期から用いられ、舌や口周囲筋のバランスを整えながら、下顎の過度な成長を抑える働きがあります。
ツインブロック
ツインブロックは、上下の装置を組み合わせて下顎を前方に誘導する装置です。主に上顎前突(出っ歯)の治療に用いられ、顎の成長を利用して咬み合わせのバランスを整える効果が期待できます。F.K.O(アクチバトール)
F.K.O(アクチバトール)は、顎の成長を利用して咬み合わせを改善する機能的矯正装置です。下顎を適切な位置へ誘導することで、骨格的な歯列不正の改善を目指します。リップバンパー

マイオブレース
マイオブレースは、口呼吸や舌癖などの口腔習癖を改善するための装置です。歯並びの乱れの原因となる筋肉バランスを整えながら、顎の発育と歯列の正常な成長を促します。
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小児矯正の固定式矯正装置の種類

固定式矯正装置は、歯に直接装着して使用する矯正装置です。自身で取り外せず、歯科医院で調整・管理しながら治療を進めます。主に小児矯正の第一期の治療で用いられ、主な種類は以下のとおりです。
- 急速拡大装置
- リンガルアーチ
- クワドヘリックス
- タングガード
- GMD
- ペンデュラム
- 部分ワイヤー
急速拡大装置
急速拡大装置は、上顎の骨を横方向に広げて歯が並ぶスペースを確保する固定式の小児矯正装置です。装置中央のネジを調整することで上顎骨を徐々に拡大し、歯列の幅を広げて歯並びや咬み合わせを改善します。
顎の骨が柔らかい成長期に使用することで、歯列のスペース不足を改善する目的で用いられるケースが多いです。将来的な抜歯矯正を避けるための治療として選択されることもあります。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、歯の裏側(舌側)にワイヤーを固定して歯が並ぶスペースを維持するための矯正装置です。奥歯に装着したバンドからワイヤーを歯の内側に沿わせる構造で、永久歯が生えるスペースを確保したり、歯並びの乱れを予防したりする目的で用いられます。
混合歯列期の小児矯正でよく用いられ、歯列の安定や咬み合わせのコントロールに役立つ固定式装置です。
クワドヘリックス
クワドヘリックスは、上顎を広げる固定式装置です。バネ構造のワイヤーが歯列に持続的な力を加えることで、上顎の幅を拡大し歯並びを整えます。
歯が並ぶスペースが不足している場合や上顎が狭い場合に用いられます。クワドヘリックスは混合歯列期の小児矯正で、顎の成長を利用しながら歯列不正の改善を目的に用いられる装置です。
タングガード

タングガードは、舌で歯を押す癖(舌突出癖)を防ぐための装置です。舌が前歯を押すことで起こる開咬や、歯並びの乱れを予防・改善する目的で用いられます。
装置を歯の裏側に装着することで舌の位置を正しい位置へ誘導し、咬み合わせのバランスを整えます。歯列不正の原因となる口腔習癖の改善が期待できる小児矯正装置です。
GMD
GMDは、第一大臼歯(6歳臼歯)などの奥歯を後方へ移動させるための固定式矯正装置です。永久歯がきれいに並ぶためのスペースをしっかりと確保し、咬み合わせの改善を図ることを目的としています。ペンデュラム
ペンデュラム装置は、上顎に生えた6歳臼歯を後方へ移動させるための装置です。歯列のスペース不足を改善する目的で用いられます。バネの力を利用して持続的に奥歯を後方へ移動させるため、歯列の混雑や叢生の改善に効果が期待できます。部分ワイヤー
部分ワイヤー矯正は、歯列の一部だけを矯正する方法で、前歯など限られた範囲の歯並びを整える際に用いられます。永久歯が生え揃う前の段階でも歯の位置を調整できるため、小児矯正の第一期の治療で用いられることがあります。
全体矯正に比べて装置が小さく、歯列や咬み合わせの微調整に適した装置です。
小児矯正の顎外固定装置の種類

顎外固定装置は、口の外側から力を加えて顎の成長方向や骨格のバランスを整える矯正装置です。
- 上顎前方牽引装置
- チンキャップ
- ヘッドギア
上顎前方牽引装置
上顎前方牽引装置は、上顎の成長を促すための装置で、受け口(反対咬合)の治療に用いられます。主に上顎の発育が不足している場合に用いられ、顎の成長が活発な混合歯列期に治療することで骨格的な咬み合わせの改善が期待できます。
取り外しが可能で、低年齢からの使用にも対応しやすい装置です。ただし、上顎の成長を活かしやすい10歳前後までが治療開始の目安とされることが一般的です。
チンキャップ
チンキャップは、下顎の過度な成長を抑えるための装置です。受け口(反対咬合)の治療で用いられ、顎の成長方向をコントロールしながら咬み合わせを改善します。あごの先(オトガイ部)に装置を装着し、頭部のベルトと連結することで下顎の前方成長を抑制します。
顎の発育が盛んな成長期に使用することで、骨格的な歯列不正の改善が期待できる小児矯正装置です。症例によっては、複数の矯正装置を組み合わせて治療するケースもあります。
ヘッドギア
ヘッドギアは、上顎の成長方向をコントロールする装置です。出っ歯(上顎前突)の治療で用いられ、奥歯を後方へ移動させることで歯が並ぶスペースを確保し、歯並びや咬み合わせのバランスを整えます。
頭部や首に装着するヘッドキャップと、口元に装着するフェイスボウを組み合わせて使用する点が特徴です。
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【治療段階別】小児矯正の種類と使われる装置

小児矯正は成長段階によって治療方法が異なります。一般的に、第一期と第二期の治療に分かれ、それぞれ適した矯正装置が用いられます。
ここでは、治療段階別に用いられる代表的な矯正装置を紹介するので、参考にしてみてください。
第一期
混合歯列期の治療で、顎の成長を利用して歯列を整える目的があります。第一期では以下のような装置を用いて矯正治療が行われます。
- 拡大床
- 急速拡大装置
- プレオルソ
- ヘッドギア
- リンガルアーチ
- インビザライン・ファースト
第二期
第二期の小児矯正は、永久歯が生え揃った後の矯正治療です。主に以下のような装置が用いられます。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
歯列を細かく調整し、咬み合わせを整えることを目的とした治療です。
どの種類を選べばよい?小児矯正の選び方

症状や歯並びで選ぶ
小児矯正に適した装置は、歯並びや咬み合わせの状態に合わせて選ぶことが不可欠です。たとえば、顎が狭く歯が並ぶスペースが不足している場合は、拡大床や急速拡大装置が用いられます。
出っ歯の場合は、ヘッドギアやバイオネーターが優先して用いられるケースが多いです。小児矯正では、歯列不正の原因を正確に診断することが重要です。
年齢や成長に合わせて選ぶ
小児矯正は成長段階によって治療方法が変わります。6〜12歳ごろの混合歯列期では、顎の発育を利用する装置が多く、拡大床や機能的矯正装置が使われます。一方、永久歯が生え揃う10歳以降では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が選択されることが一般的です。ライフスタイルで選ぶ
学校生活やスポーツ活動なども装置選びの重要なポイントです。接触の多いスポーツをしている場合、表側ワイヤー矯正は口腔内のケガにつながる可能性があります。そのため、マウスピース矯正など目立ちにくく、安全性に配慮しやすい装置が選択肢になりやすいです。
以下の記事では、小児矯正の選び方について詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
小児矯正の選び方|歯科医院で失敗しない7つのポイントとカウンセリングの注意点
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まとめ

この記事では、小児矯正の装置の種類を詳しく解説しました。小児矯正には、可撤式矯正装置・固定式矯正装置・顎外固定装置などさまざまな種類があります。歯並びや咬み合わせ、顎の成長段階によって適した装置は異なり、年齢や生活スタイルも考慮する必要があります。
そのため、小児矯正を成功させるためには、歯科医院で精密検査を受けたうえで専門医と相談しながら治療方法を決めることが大切です。子どもの成長期を活かした矯正治療により、将来的な歯並びや咬み合わせの改善につながります。
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