子どもの歯ぎしり
子どもの歯ぎしりの原因
歯がかゆい
子どもの歯ぎしりの原因の1つが、「歯がかゆい」ことです。乳歯が生え始める時期や、乳歯から永久歯に生え替わる時期には、歯ぐきがむず痒く感じることがあります。この不快感を解消するために、無意識のうちに歯をギリギリとこすり合わせて、歯ぎしりをしてしまうことがあります。
成長過程の一時的な生理現象であることが多く、通常は心配ありませんが、歯への影響が気になる場合は歯医者に相談しましょう。
歯や顎の位置を変える
歯や顎の成長に伴う嚙み合わせの変化も、子どもの歯ぎしりの原因の1つです。乳歯から永久歯へと移行する時期は、歯の生え方や顎の骨の成長バランスが不安定なため、かみ合わせの調整を図ろうと無意識に歯ぎしりをすることがあります。
これは、歯や顎の筋肉を鍛え、噛み合わせを確立するための生理的な行動と考えられています。
永久歯のスペースを確保
子どもの歯ぎしりは、永久歯が生えるためのスペース確保が目的とも考えられています。乳歯から永久歯への生え変わり期は、乳歯よりも大きな永久歯が生えてくるために顎の成長が必要です。この時期の歯ぎしりは、顎の骨の成長を促し、将来の永久歯の正しい位置に誘導したり、嚙み合わせの調整を行ったりするための無意識の生理現象と考えられています。
多くの場合、成長とともに自然と収まりますが、歯の過度な摩耗などが見られる場合は歯科医に相談しましょう。
噛み合わせをコントロール
子どもの歯ぎしりは、顎の筋肉を鍛え、噛み合わせをコントロールしようとする生理的な動きでもあります。成長期の子どもは顎の骨や歯列が日々変化しており、乳歯から永久歯への生え変わりに伴い、噛み合わせのバランスが不安定になることがあります。
歯ぎしりは、このような変化の中で無意識に顎の筋肉を使い、理想的な噛み合わせの位置を調整しようとする本能的な行動と考えられています。
ストレス・睡眠
子どもの歯ぎしりは、大人と同じくストレスや睡眠の質が原因であることも少なくありません。日中の活動で受けた精神的なストレスや興奮、不安などが、夜間の睡眠中に歯ぎしりとして現れることがあります。
睡眠不足や不規則な睡眠リズムも、歯ぎしりを引き起こす要因となり得ます。就学前の子どもは10〜13時間の睡眠が必要とされており、十分な睡眠を確保し、寝る前にリラックスできる環境を整えることが大切です。
子どもの歯ぎしりの種類
グラインディング
上下の歯を横にこすり合わせることで「ギリギリ」といった音を伴います。
睡眠中に無意識に行われることが多く、歯の表面がすり減る「咬耗」の原因となります。
グラインディング
上下の歯を強く食いしばるタイプの歯ぎしりで、音が出ないため気づかれにくいです。睡眠中や集中している時に無意識に起こり、顎の筋肉に大きな負担がかかります。
歯の摩耗だけでなく、顎関節症や肩こりの原因となることもあります。
タッピング
上下の歯をカチカチと繰り返し鳴らすタイプの歯ぎしりです。比較的軽い症状で、成長に伴うかみ合わせの変化への順応や、顎の筋肉の調整のために行われることが多いです。
他の歯ぎしり(グラインディングやクレンチング)と比較して、発生率は少ないです。
子どもの歯ぎしりが与える悪影響
子どもの歯ぎしりの多くは成長に伴う生理現象ですが、度合いによっては悪影響を及ぼす可能性があります。主な影響としては、歯の表面がすり減る「咬耗(こうもう)」、顎関節への負担による顎の痛みや開口障害、頭痛や肩こりなどが挙げられます。
乳歯の場合は、永久歯と比較してすり減りやすい点にも注意が必要です。歯ぎしりが続く場合は、歯科医院で相談し、適切に診断してもらい処置を受けることが重要です。早期発見・早期対応が、子どもの健やかな成長と口腔内の健康を守ります。
子どもの歯ぎしりの対策方法・予防方法
正しい体制を心がける
子どもの歯ぎしりの対策として、正しい姿勢を心がけることが重要です。猫背などの悪い姿勢は、顎の関節や周囲の筋肉に負担をかけ、歯ぎしりを誘発する可能性があります。日頃から、背筋を伸ばし、顎を引いた正しい姿勢を意識させましょう。
食事中も、足をしっかり床につけて座り、片寄った噛み方をしないように促すことが大切です。正しい姿勢は全身のバランスを整え、顎への負担を軽減し、歯ぎしりの改善につながります。
よく噛んで食べる
子どもの歯ぎしりの対策として、よく噛んで食べることが推奨されます。現代の子どもは、軟らかい食べ物を好む傾向にあり、咀嚼回数が減少しています。しっかり噛むことで顎の筋肉が発達し、バランスの取れたかみ合わせの形成を促します。
歯ぎしりによって顎にかかる負担を軽減するだけでなく、顎の位置を安定させ、歯ぎしりの頻度を減らす効果も期待できます。硬めの食材を取り入れたり、一口の量を減らしてよく噛む習慣をつけさせたりすることが大切です。
仰向けで寝る
子どもの歯ぎしりの対策には、仰向けで寝ることも効果的です。うつ伏せや横向きの姿勢で寝ると顎に不自然な力がかかりやすく、顎の位置がずれたり、歯ぎしりを誘発したりする可能性があります。
一方、仰向けで寝ることで体の圧力が均等に分散され、顎への負担が軽減されます。子どもの寝相をチェックし、仰向けで寝やすい環境を整えてあげましょう。
ストレスを溜めないようにする
子どもの歯ぎしりを予防するには、ストレスを溜めないようにすることが大切です。大人と同じようにストレスを感じやすく、学校での出来事・友達関係・家庭環境の変化などが歯ぎしりとして現れることがあります。
日頃からコミュニケーションを密にとり、悩みや不安を話せる安心できる環境を整えましょう。また、就寝前に絵本の読み聞かせやリラックスできる音楽を聴くなど、心身を落ち着かせるルーティンを取り入れることもストレス軽減につながり、歯ぎしりの改善に役立ちます。
マウスガードを使用する
子どもの歯ぎしりが続く場合、歯科医に相談し、マウスガードを使用することも対策の1つです。マウスガードは、就寝中に装着することで上下の歯が直接触れ合うのを防ぎ、歯の摩耗・欠け・顎関節への負担を軽減する効果があります。
歯ぎしりの音が大きく、歯に明らかなダメージが見られる場合に効果的です。子ども一人ひとりの顎の形や歯並びに合わせて歯科医院で作成するため、違和感なく使用でき、歯ぎしりによる悪影響を予防します。
子どもの歯ぎしりは何歳まで続く?
子どもの歯ぎしりの多くは成長に伴う一時的な生理現象であり、永久歯が生えそろう12歳頃までに自然に治まるケースが多いです。これは、顎の発達や噛み合わせの調整のためと考えられます。
ただし、個人差があるため、中学生以上になっても歯ぎしりが続く子どももいます。 ストレスや噛み合わせの問題が背景にある場合もあるため、歯のすり減りがひどい場合や顎の痛みがあるなどの症状が見られる場合は、歯科医に相談するようにしましょう。
すぐに歯医者を受診する必要がある状況
永久歯が生え揃ってからも歯軋りをしている
子どもの歯ぎしりの多くは成長に伴い自然に収まりますが、永久歯がすべて生え揃ってからも歯ぎしりが続く場合は、歯科医を受診しましょう。この時期の歯ぎしりは単なる生理現象ではなく、ストレスや噛み合わせの不具合・顎関節症の兆候など、他の原因が潜んでいる可能性があります。
放置すると、歯の過度な摩耗や痛み、顎関節の不調につながる可能性も高いです。早期に専門医に相談することで、適切な診断と対策を受け、症状の悪化を防ぐことができます。
歯が欠ける・痛む
歯が欠けたり、子どもが痛みを訴えたりする場合は、すぐに歯科医を受診する必要があります。乳歯は永久歯に比べて柔らかく、歯ぎしりによる摩耗や欠けが起こりやすいです。歯に強い負担がかかりすぎると、歯の神経に炎症を起こして痛みを伴ったり、知覚過敏の症状が出たりすることも少なくありません。
放置すると、虫歯の進行や顎関節への影響などさらなる問題につながる可能性があるため、早めに専門医に診断してもらい、適切に処置をしてもらう必要があります。
顎に痛み・違和感がある
顎に痛みや違和感を訴える場合は、歯科医の診察が必要です。起床時に顎がだるい・口を開けにくい・顎の関節から音がするなどの症状は、歯ぎしりによる顎関節への過度な負担が原因かもしれません。
顎関節症へ移行する可能性もあるため、放置は禁物です。子どもの小さなサインを見逃さず、早めに歯科医に相談することで適切な診断と治療を受け、症状の悪化を防ぎましょう。
歯がぐらついている
歯がぐらついているのは、すぐに歯科医を受診するべきという重大なサインです。歯ぎしりによる過度な力が継続的に歯にかかることで歯を支える歯槽骨に負担がかかり、歯周組織が損傷する可能性があります。乳歯のぐらつきは生え変わりと混同されがちですが、痛みや出血を伴う場合は注意が必要です。
また、永久歯がぐらつく場合は、歯周病や歯根へのダメージが大きいことも考えられます。放置すると歯の早期脱落につながる恐れがあるため、速やかに歯科医院で診察を受けましょう。